明日天気堂

堀井明子(迷走中のアニメ系脚本家)の近況報告などなど。

訃報……

「パント・マイムの神様」と呼ばれたマルセル・マルソー氏が22日お亡くなりになったそうです。
私は10年ほど前に『最後の公演』と銘打たれた来日公演を拝見したことがあります。
どうしてもマルソー氏のパント・マイムをこの目で見たくて、衝動的にチケットを購入して一人で観に行ったんです。*1
広い舞台に、こじんまりとした小道具。
そこで、ただ一人、無言で演じ続ける彼の姿は、不思議ととても大きく見えて、そして温かでした。
彼が動くたびに背後に用意されていない風景までが見えてくるようで、本当に感動したものです。
もう、あのような心温まる舞台が観られないのかと思うと、本当に寂しいです。
今はただただご冥福をお祈りするばかりです。


悲しい知らせといえば、今年は河合隼雄さんも鬼籍となられましたよね。
昨年、脳梗塞で倒れられたとの一報を聞いてから、回復を祈っておりましたが、訃報を聞いたときには本当にショックでした。
その上、同時期に私も(家族も)体調不良となってしまい、しばらくこのことを考える余裕がなくなってしまいましたけど……マルセル・マルソー氏の訃報をきっかけに、河合さんのことも思い出しました。
実は、心理学に興味を持ち、河合さんの本を読みあさったのも、マルソー氏の公演を観た頃と同時期だったんです。
そういえば、しばらく河合さんの書かれた本も読んでいないな……。
折りを見てまた読み返してみたいと思います。

*1:その時、確保できた席は前から数列目のセンターという最高の位置でした。出掛けに降り出した雨でバスが遅れ、冒頭の数分間を遅刻してしまったのが心残りで……ひどく印象に残っています。